あなたのことをもっと知りたいですの代わりに

魅力的な人を目の前にしたときに「カフェに行きましょう」と誘って、日を改め明るい昼間に落ち合って、眺めのいいテラス席に座って、おもちゃみたいな小さいカップに気持ち程度の量のエスプレッソを注文する。一連のお決まりでこれ一択。

テーブルと椅子が余白という概念なしに詰め込まれたこの空間で、目の前の相手と対峙する。毎回思うけどこれは対峙がしっくりくる。ひとりごとのような声量でぽつりぽつりと話しても拾える距離で、間を埋めるように食べ物が運ばれてくるわけでもないので言葉を選んでいるときの間はそこらじゅうにできて、これはこれでふたりの空気としてあって、アルコールに頼れない分逸らしたくなるほど真っ直ぐで、逸らしたところで苦いエスプレッソしかない。もしこれが甘いココアとかだと積極的に飲んじゃうだろうから、この空間で苦いエスプレッソなのも全て策士。

 

これは日本での「飲みに行きましょう」と近い感覚で使われてる誘い文句だと思うんだけど、感覚的に対峙度とか距離の詰め方とか結構ハードルが高い。グッと寄せられる感。本当に親しくなりたい人とじっくり話すときにはありがたい文化ではあるけど、普段使わないところの脳みそが刺激されてめちゃくちゃにエネルギーを使う。帰り道の心地よい無気力。

 

こう文字にしてしまうとクロアチアカフェ文化よいしょみたいでちょっと語弊があるんだけど、いやまず土俵が違うんだけど、って誰に弁解してるのかわかんないけど

食べて飲んで、話をして、箸を置いてお品書きを眺めて注文して、あれさっきどこまで話したっけ、って店の雰囲気とか料理の見た目とか相まって、お酒も入ってたのしくなって、しかも目の前には好きな人がいて好きなだけ話せて、ここは天国かって気持ちまで持っていかれる居酒屋も最高だよほんと。帰国したら煙もくもくの炭火焼ホルモン屋さんに飲みにいこうよって友達を誘う。

 

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